上質の音空間 実現に向けて
制振材「オーシャンダンパー」の効能について

1.はじめに

空気伝播音(中・高周波)対策としての吸音材や遮音材の役割は大切です。それにも増して固体伝播音(低周波)対策での制振材の活用は耳ざわりな圧迫音を消し去る為にも、重要な役割があります。 弊社のオーシャンダンパー(表面仕上材)とオーシャンコンフォート(一次甲板床張り材)は高級国産車に標 準採用されている制振材を特別に船舶用に改良、改質した製品です。起振源より発生する 50Hz~500Hz付近の中低周波にも有効な仕様にチューニング・設計致しております。つまり船内のエンジンルームから居 室に至る全ての鋼板部位の固体伝播音対策として、最大の効力・能力を発揮致します。

2.各種試験での測定実績

1)NK(日本海事協会)主催による共同研究「船内騒音対策効果の検証に関する研究開発」より抜粋

弊社の制振材効果には、顕著なものがありました。

2016年4月実施 、 2017年8月公開
URL:http://classnk-rd.com/
業界要望による共同研究 > 研究成果の公表(研究成果一覧) > 2016 年 > 船内騒音対策効果の検証

ア)振動及び音響特性試験(抜粋P-31)

制振材A(6.8mm)(制振材:オーシャンコンフォート使用)
内訳 4.5mm(制振層) + 2.3mm(金属拘束層) = 6.8mm

イ)振動減衰特性試験(抜粋P-64)

制振材A(6.8mm)(制振材:オーシャンコンフォート使用)
内訳 4.5mm(制振層) + 2.3mm(金属拘束層) = 6.8mm

まとめ(抜粋 P-89)

2)ニットク(日本特殊塗料)による社内試験データ御参照下さい。

【 損失係数測定結果 】

基材(鋼板)0.6t+D15M06 制振材:オーシャンダンパー1.5t+拘束層0.6t

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試験方法 中点加振・サイズ 300×30mm・測定日 2017/3/30・測定場所 同上

200〜400㎐では全温度行きで損失係数が0.1以上である。特に常温域の10〜40℃では、損失係数が0.4以上の高性能を示す。

【 損失係数測定結果 】

基材(鋼板)6.0t+D45M08 制振材:オーシャンダンパー4.5t+拘束層0.8t

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試験方法 中点加振・サイズ 300×30mm・測定日 2017/3/30・測定場所 同上

常温域で損失係数が0.1以上であり、特に20〜30℃では400〜600㎐で損失係数が0.2〜0.3と高い制振性能を示す。

【 損失係数測定結果 】

基材3.2t+制振材:磁着メルシート4.0t+鋼板0.8t

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0〜40℃の温度域では400〜800㎐の損失係数は0.1以上で高い制振性能である。

【 損失係数測定結果 】

基材12t+制振材:磁着メルシート4.0t×3枚+鋼板2.3t(メルシート3枚重ね合せ工法)

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40℃以下では損失係数が0.1以上あり、また20℃では損失係数が0.2〜0.3であり、確実で有効な制振性能を示している。

4.標準仕様・施工要領

1)標準仕様(推奨組合せ)

施工場所 寸法(mm) 制振材
厚さ(mm)
※金属拘束層
厚さ(mm)
重量(kg) 制振材
比重
壁面 300×500 4.5 1.2 2.6 1.7
3.0 2.2
1.5 1.8
床面 300×500 4.5 0.8 2.1 1.7
3.0 1.7
1.5 1.3
起振源付近
(磁着メルシート)
300×500 4.0 2.3 3.4 1.9
8.0 4.6
居室パネル表面 800×1000 1.5 0.8 7.0 1.7
  1. ※金属拘束層には 0.6t以上の鋼板使用が可能です。
  2. オーシャンダンパー・オーシャンコンフォート は JG,NK,MED 取得済です。
  3. 磁着メルシート は磁着式制振材です。特にエンジンルーム内や起振源付近での施工が有効です。

2)施工要領(施工率 70%以上)

  1. 壁面:四隅溶接タイプを推奨
  2. 床面:表面の凹凸を直し、清掃の後施工
  3. 起振源付近:磁着式制振材:メルシートが有効(4.0t,8.0t)
  4. 居室パネル表面:PVC シート張り加工も可能

※船内の全ての鉄部(0.6t以上の構造体)に施工可能です。

上から金属拘束層、制振材層、粘着剤の図

壁面施工(四隅溶接施工)

床面施工

5.まとめ

 各種、制振材を船舶の鉄部(0.6t以上の構造体)に施工すれば、特に低周波に対し最大効果を発揮します。併せて音響測定(騒音測定/音響インテンシティ測定/残響時間測定)を適切に実施し、改善することで、 上質の音空間が実現できます。
 その際の“切り札”として制振材「オーシャンダンパー」「オーシャンコンフォート」「磁着メルシート」を御活用頂 ければ、安定した最大の制振効果が得られます。

表面仕上材 オーシャンダンパー

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高級国産車に採用されている制振材を船舶用に改良
オーシャンダンパー(オーシャンコンフォート含)を開発

標準仕様(制振材 比重1.7)
型番 制振材層厚さ
(mm)
金属拘束層厚さ
(mm)
300×500 4.5 0.6〜2.3
300×500 1.5 0.6〜1.0

防火区分 難燃性上張り材
※鋼板0.6mmt以上に施工可能

制振層厚さ 最大4.5mm
金属拘束層 鋼板0.6mm以上

[JG、NK取得済 MED申請中]

施工例

  1. 居室内パネルの表面
  2. 機械室の壁面
  3. 床面・壁面(オーシャンコンフォート仕様)

効果

平均低減実績
△3.0㏈(A)〜△4.0㏈(A)
特に低周波帯域に有効

騒音低減効果

厚さ3.2mmの鋼板に施工した例(D30M8)
共振点で大きな騒音低減効果が得られます

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試験装置(RTC-Ⅲ)

フレーム加振によるパネル振動(放射音)評価装置

損失係数測定結果

ケース1
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試験体 基材(鋼板)0.6t+D15M06 制振材層1.5t+拘束層0.6t
試験方法 中間加振動
サイズ 300x30mm
測定日 2017/3/30
測定場所 日本特殊塗料(株)開発センター(NITTOKU)にて測定

まとめ
200~400Hzでは全温度域で損失係数が0.1以上である。
特に常温域の10~40°Cでは、損失係数が0.4以上の高性能を示す。

ケース2
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試験体 基材(鋼板)6.0t+D45M08 制振材層4.5t+拘束層0.8t
試験方法 中間加振動
サイズ 300x30mm
測定日 2017/3/30
測定場所 日本特殊塗料(株)開発センター(NITTOKU)にて測定

まとめ
常温域で損失係数が0.1以上であり、特に20〜30℃では400〜600Hzで損失係数が0.2〜0.3と高い制振性能を示す

オーシャンW(ダブル)
メルシートの重ね合わせ工法

ポイント イナータンス測定試験

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試験装置 B&K製 Pulseシステム
インパクトハンマー B&K製 Type 8202
加速度ピックアップ B&K製 Type 4394

試験サンプル

基材 鋼板25mm サイズ 600x400
磁着タイプ制振材 制振層4mm+Steel0.8mm サイズ500x300
粘着タイプ制振材 制振層4mm+Steel0.8mm サイズ500x300
施工率 62.5%

ポイントイナータンス測定結果
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考察:まとめ
磁着タイプ制振材、粘着タイプ制振材とも ほぼ同等の効果があり、25mm厚の鋼板に対してはピークで10~20dBの振動低減効果が確認された。
磁着タイプ、粘着タイプそれぞれの効果には周波数で差があり、3kHz以下の低周波側では磁着タイプが効果的であり、高周波側は 粘着タイプが効果的である。

磁着式制振材メルシートの重ね合せ工法
エンジンルーム内の起振源付近に施工

標準仕様
寸法
(mm)
制振材
(mm)
金属拘束層
(mm)
合計厚み
(mm)
重量
(kg)
300x500 8(4x2枚) 2.3 10.3 5.1
300x500 12(4x3枚) 2.3 14.3 6.3

(制振材比重2.0)

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損失係数測定結果
基材6.0t + 粘着オーシャンダンパー 4.5t + 鋼板0.8t
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常温域で損失係数が0.1以上であり、特に20~30°Cでは400~600Hzで損失係数が0.2~0.3と高い制振性能を示す

基材3.2t + 磁着メルシート 4.0t + 鋼板0.8t
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0~40°Cの温度域では400~800Hzの損失係数は0.1以上で高い制振性能である

基材12t + 磁着メルシート 4.0t x 3枚 + 鋼板2.3t (メルシート3枚重ね合せ工法)
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40°C以下では損失係数が0.1以上あり、また20°Cでは損失係数が0.2~0.3であり、十分な制振性能を示している